『物語』のプロトタイプからは外れる構成をもった作品。全編「質問」と「答え」だけ。帯でわくわくした。複数の人の「証言」を連ねていって一つの全体像をうかびあがらせる、というタイプは読んだことがある。それともまた違うことをやってくれるのだろうか?
やってくれた。びっくりした。「物語」好きとしては、ふつうの構成の方が好みなのだが、でも、面白い。読み手が無意識に期待する前提とか、無意識にもってしまう解釈のフレームワークが、途中でゆらいでしまう。あの感覚がたまらない。
細部もリアル。話を聞いていて(読んでいて)自分の中でも勝手にいろいろな記憶や思考が走りだしてしまう。
ラストも「うわ~。」恩田陸は容赦ない。
結論:面白かった。
★★★★☆
Q&A (幻冬舎文庫 (お-7-8))
恩田 陸
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