Friday, April 20, 2007

Q&A - 恩田陸

『物語』のプロトタイプからは外れる構成をもった作品。全編「質問」と「答え」だけ。帯でわくわくした。複数の人の「証言」を連ねていって一つの全体像をうかびあがらせる、というタイプは読んだことがある。それともまた違うことをやってくれるのだろうか?

やってくれた。びっくりした。「物語」好きとしては、ふつうの構成の方が好みなのだが、でも、面白い。読み手が無意識に期待する前提とか、無意識にもってしまう解釈のフレームワークが、途中でゆらいでしまう。あの感覚がたまらない。

細部もリアル。話を聞いていて(読んでいて)自分の中でも勝手にいろいろな記憶や思考が走りだしてしまう。

ラストも「うわ~。」恩田陸は容赦ない。

結論:面白かった。

★★★★☆
Q&A (幻冬舎文庫 (お-7-8))
恩田 陸

Q&A (幻冬舎文庫 (お-7-8))
黄昏の百合の骨 (講談社文庫 お 83-5) まひるの月を追いかけて (文春文庫 お 42-1) 禁じられた楽園 (徳間文庫 お 30-2) 蛇行する川のほとり (中公文庫 お 70-1) クレオパトラの夢 (双葉文庫)
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