Friday, February 1, 2008

オーデュボンの祈り - 伊坂 幸太郎

2008.02.01 ★★★★★

面白い!「これぞ、オリジナル」と思った。未体験世界だった。

舞台設定もかなりの「異世界」― 鎖国以来、外の世界を遮断しつづけている島、「神」的なしゃべる案山子、殺人が許されている「桜」、などなど―だが、それ以上に、先の読めなさ加減が、未体験世界。

ひとつひとつの出来事の解釈が宙ぶらりんのまま、話の着地点の範囲も全く不明のまま、「なんだろうコレ」と、読みすすめていって最後のカタルシス。気持ちよかった。

力の抜け具合もよい味わい。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
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Monday, January 28, 2008

重力ピエロ - 伊坂幸太郎

レイプの結果できた息子「春」。産む決断をした夫婦はすごい。その後の育て方もすごい。

重いテーマのはずなのだが、みんな言っている(らしい)ように、筆致が軽やか。この手の「ミスマッチ」は非常に好み。「大事なことはあっさり言わなきゃ」みたいなことをどこかで(『オーデュボーンの祈り』だ)言っていたけど、同感。

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伊坂 幸太郎

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『オーデュボン』の「文法」は未知だった。『重力ピエロ』は、若干「普通」のミステリに近いのか、な?普通に食べていいのか、違う食べ方しないといけいのか、のみこんだ後に迷った、というところか。

Sunday, January 27, 2008

イニシエーション・ラブ - 乾くるみ

最初読み終わったとき、「何コレ」と思ってしまった。うかつ。
昔は折原とか読んでいたというのに。

もう一回見直しましたとも。で、納得。わっはっは。やられた~~。

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それにしても、この頃80年代をネタにした話によく出会ってる気がする。

リピート - 乾くるみ

ミステリ(SF風味) ★★★★☆

このモチーフ、どう料理するのか興味深々で読んだ。

帯では「『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』」とあったらしい。
まさしくそれ。面白かった。

『リプレイ』ももちろんだが、私としてはそれとセットで『リセット』も連想された。
『リプレイ』より「ぎりぎり」な感じ。
北村薫の世界とはもう対極。酷薄な感じで。

作家は凄い。

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