Sunday, July 12, 2009

毒にも薬にもなる話 - 養老孟司

毒にも薬にもなる話 (中公文庫)
毒にも薬にもなる話 (中公文庫)
養老 孟司

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養老さんは、ことあるごとに「私は教科書に墨を塗った世代である」とおっしゃる。そして、その体験が今の自分(の考え方)に影響していると。例えば:
ともかくこの世代は、子どものうちに敗戦で、「皇居に向かって最敬礼」が、一夜明ければ「平和憲法、マッカーサー万歳」になった。どうせコロッと変わる世の中を、そんなにムキになることはあるまい。子どものときからそれが身についている。(本書, p.128)
世間の常識なり価値観なりが相対的なものだということを体感してらっしゃるのが、この方の「芸」(と自分でもおっしゃる)の強みだなあと思う。頭の中で体験するしかない身としては、ある意味うらやましい気もする。健全な距離感がきもちよい。

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