Friday, May 4, 2007

崖の館 - 佐々木丸美

最近、ためこんだレシートを整理しはじめた。ここ数か月分に限られるが、ああ、このころこんな本を読んだんだなあと思い出すのが結構おもしろい。

ところが、読んだ覚えがまったくない本が出てくる。私の記憶力はまったくザルだが、読んだ覚えすらないというのはいかがなものか。・・・と思っているうちに、そういえば手当たりしだいに買ってきて、手付かずになった本もあったような?という気がしてきた。

そんな「手つかず状態発覚」の一冊がこの作品『崖の館』。
レシート整理もいいものだ。

レトロだな~と思った。

読み終えて確かめると、1977年の作品だった。なるほど。

登場人物の台詞や語り手の独白に違和感を感じてしまうけれど、それでも「これぞ本格ミステリ」という感じ。ばりばりの孤島&館モノ。10年前に読んでいたら(こういうの主観的には大好きだった)読後感は違っていたかもしれない。

でも今は今。館の雰囲気とかフェアな伏線とか美しいロジックとか、そういうものは別にして、入り込めない部分があるのはしょうがない。あのペダンチックな会話とか、語り手のいかにも「少女」っぽい反応とか。

『エースをねらえ』(最近我が家のテレビで夜中にこの番組がついていることがある)で感じる違和感もしくは照れくささと似ているかもしれないな。


崖の館 (創元推理文庫)
崖の館 (創元推理文庫)
佐々木 丸美

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