今日、派遣をクビになった | |
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読んでいて楽しい本ではない。
装丁と中身の太字遣いを見て、騒々しいタイプの本(苦手)かもな~と危惧したのだが、生々しい声を取り上げているのに筆致は淡々としていた。
「日雇い派遣」の実態が分かる。そこに追いこまれてしまった人々にも様々な事情があり、自力ではどうにもならなかっただろうと思われる見ていてつらいタイプも、今はしんどいとは思うけれど、もうすこし考えようよと思ってしまうタイプも紹介されている。
「日雇い派遣」を斡旋する側の雇用条件のひどさも取り上げられている。「これじゃあホームレス製造工場じゃないか!」と憤って斡旋会社のやり方を変えていった話は希望がもてるよい話だと思ったが、おそらく憤っても行動に移せる人はわずかだろうなあとも思う。
何か別の本でも、「貧困率」という言葉を見た覚えがある(これだ。読み終わってないな)。貧困率とは、「貧困者」(=「国民の平均所得の半分以下しかない人」が国民全体の何%にあたるかを示す数字。OECD(経済い強力開発機構)の調べでは、日本の貧困率は、加盟国(どこだ?)の中ではアメリカについで第2位(本書, p. 218)。
前からこうだったわけではない。給与所得者の平均年収は1997年から2007年の10年間で30万円ほど減少している(約476万→約437万;8%ダウン)。一方、年収200万円以下の比率は2000年から2007年の7年間で200万人近く増えている(約825万人→約1032万人;25%アップ)。貧困者の増加率のわりに平均年収の減少率は少なく、GDP(国民総生産)は世界でも上位を保っている。年収1000万円以上の高所得者も増えており(2000年175万人→2007年232万人;30%アップ)、経済格差が広がっているということだ(本書, pp. 218-219)。
アメリカのいいなりになっている場合じゃないよね。
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